駅にて初めて日本人のツアー客を見る。うわあ、なにか新鮮です…日本語だよ…。
待合室でちょこんと座って改札が始まるのを待ち、改札は怒濤の勢いで切り抜ける!やればできる私!
……車内で警察が巡回に来たときは慌てましたけど。中国や韓国では18歳以上の成人になると、個人のIDカードを交付されるそうです。中国のはバーコード付きで順にバーコードリーダで照らし合わせてました。こういうときはパスポート。しかないから。両隣の中国人に、最初切符を取り出して、違う違うとジェスチャーされました。ありがとう…ほんとびっくりしたよ…。
それにしても、飛行機といい、電車といい、中国の人たちはとにかく荷物がすごい。もちろん、電車といってますが、寝台だったり新幹線だったりの長距離移動用のものばかりですから、やっぱり農村から街に買い出しに出かけている人が多いんでしょうが……。その荷物のでかさが大人一人入っていてもおかしくないー。袋もずた袋だったり、なんだかえらく先進的なところと、急成長に取り残されているところと、を目の当たりにした気分でした。
そしてそのでかさの荷物が、飛行機や電車の荷物をおく棚に入るマジック。それ伸縮でもするんですか…?
さて、ホテルで再びSさんと待ち合わせ、私の無事を確認しつつ。笑。今日は満州の皇宮博物館へ向かいます。こちらでの正式名称は偽満皇宮博物院。
アクセスのためのバスが見当たらないので(とにかく駅前はバス停の種類が多い!)ここはタクシーを捕まえるか…。うう、蘇る初日の悪夢。そして何より中国でのタクシーの運転手さんは気紛れだから止まってくれるとは限らない。
どうにか、こうにか捕まえたタクシーの運転手さんは無口で助かったー。いや、私も勉強しました。タクシーで日本人とばれると後がややこしいので、ひたすら黙る。一切喋りません。
そんなこんなで皇宮博物院に到着。本来のタクシーはメーター制なので毎回値段交渉するわけではないのです。

入ってみるとまずは乗馬する場所があります。馬!馬かわいいよ馬!そしてトイレがこれまでの施設の中では格段にきれいだったそうです…そうだよな…どっかの駅の待合室では、私トイレの個室には行ったところを引きずり出されて、娘連れたおばちゃんが入っていったんだぜ…<トイレの環境と関係ない。
満州国の歴代大臣の肖像なんかありましたが、満州族よりも蒙古族のほうが多い感じ…?
中庭など、とても花がきれいでした。よく整備されているなあという感じ。この博物院はラストエンペラーの撮影にも使用されたそうですね。すごく雰囲気が厳かな感じ。ただ、たまに置いている蝋人形は余りに本物っぽくって怖かった…。
東清鉄道のSLなんかも展示しています。
それにしても、この建物の中で皇帝は心の安まるときがなかったのだろうなあと思うと。皇帝の末路は確かソ連の強制収容所でしたっけ…。
しみじみしつつ、再びタクシーを捕まえる。さあ、ここからSさんの戦いの始まりです。どうやらその運転手さんは私たちを韓国人と思いこんでいたそうです。というか、聞かれたときとっさにSさん、「そうです!」と言ったとか。そしたら例の「小日本」とかいわゆる日本嫌いをぽろっとこぼしたそうなんですね!
「もう一人の方は中国語しゃべれないのか〜い?」
私、とにかくにこにこ無言。
「そうなんですよー、私がちょっとだけしゃべれて。」
「そうなんだー。中国と韓国は仲良くしないとね!そういえば、韓国語でこんにちは、ってなんていうの?」
「アニョハセヨ〜」
Sさん、心の中で頼むから早く目的地に着いてくれと、冷や汗だらだらだったらしいです。そして無事勝利。
「謝謝〜……か、勝ったよ私…。」
そこで初めて事情を知りました…。<のんき。
降りたのは文化広場です。丁度桃が満開に。桃園の誓いですねわかります!日本みたいにビニールシートが広げられ酒盛りする団体もなく、ゆっくり眺めることができます。ええのう、花見とはこうあるべきよね。
そこからちょっと横の道に入って、北朝鮮直営のレストランへレッツゴー!

……ちょ、かなりどきどきなんすけど。
北朝鮮が外貨獲得の為に、設立しているレストランで、なんでも従業員は北朝鮮でも上流階級の子弟ではないかという。チョゴリ姿で給仕してくれるのですが、かわいー子ばかりでした。選抜も厳しいんだろうな…。だいたい2年ほどのサイクルで人が変わるらしいです。なんといってもこの長春、金正日氏が留学していたとか。北朝鮮にも近いし、あっても不思議はないよね…。
料理のメインの肉は狗。はい、狗肉でございます。

とにかくメニューの多さに圧倒されるんだけど、大半は狗料理。私は狗肉は初めてなので、とりあえず、炒めてタレがかかっているものにはずれはないだろうと、一品選び、あとは北朝鮮風の寿司、豆腐のチゲを注文。
お店の内部は、お客さんのいるテーブルのところにだけ明かりをつけていたので、若干暗い感じ。
さて、きましたよ、狗肉の炒め物。いただきまーす!……ううむ、まずくはないんだけど、歯ごたえと味がイメージの中でちょっとずれがあって矯正できない…。肉自体は柔らかいけど弾力があって、けっこう噛みきるのに苦労しますね。味は私には初めての味だったので形容のしようがない…若干臭みがあって、でも味自体は割と淡泊。とにかく、私の中では不思議なものを食べた、という感じ。肉にしては淡泊すぎるのは確かです。
北朝鮮風寿司は具が野菜中心。で、ご飯に味が付いています。Sさん曰く、オリーブオイルとか。でもそんなに油こくなくてぽいぽい口に放り込めました。
チゲは文句なく旨かった!味噌ベースと思われますが、その味噌自体が独特な感じ。こってりしているというか。さほど辛くなく、食べやすかったですー。
これですべての旅程が終了しました。ホテル前でアイス買ったり、羊肉の串焼き食べたりしながら、Sさんとお別れ。
うおおおん、寂しいよ〜、何より明日空港に一人で行けるか不安だよーん。(街から空港まで車で1時間)いえ、一応ホテルのフロントにSさんがタクシーを手配してくれていたのだ、大丈夫!
なぜ、ここまで不安になっているのかというと、長春空港発が8:00なんですよね。つまり2時間前には空港に。どう計算してもホテルを5時には出なければ…電車すら走ってないわあああ!この飛行機の出発時刻はなんとかならんのかーい!
そして朝。5時前にホテルのフロントに行くと、フロントで寝袋にくるまっておねーちゃんが寝ています。入り口に運転手らしき人が…おろおろしてると、その人がフロントを起こしてくれました。
一応前日にメモ用紙に書いておいた「長春龍華空港」の簡体字を見せると、おおー、俺だこっち来い、とその人が。で、フロントの方はまた寝ようとするのですが、ちょっと待て!デポジット返せ!このホテルでは200元のホテル代に対し100元のデポジットを要求されるんですね。ちょっと!私ホテル汚してないよ!でもフロントの人は手をひらひらさせ…ああ、部屋を確認する人がいないのか。泣。
時間もないし、デポジットは泣く泣く諦め、タクシーへ。こちらは追加料金を取られたりしなかったから、ちょっと安心。
朝ご飯にソーセージを食べつつ空港が業務を開始する様を眺めつつ。あーこれで中国旅行終わりかー。また来たいなー今度は三国志ツアーとか!と全く懲りていなかったのでした。