2010年05月14日

4 翡翠(カワセミ)の羽が一つ

 数日続いた驟雨のあと、新緑はひどく陽に映えていた。

 吾士則は目を細めた。キッと甲高い声と共に、水辺から翡翠の羽が飛沫を上げる。



 滑らかな動きで矢を番えると、後ろから腕をとられた。



「折角、晴れたのだ。無粋な真似をするでない。」



 上官の気紛れには慣れていた。吾士則はあっさりと引き下がり、矢を収めた。



「静かですね。」

「風流が似合わぬと口答えはしないのか?」



 吾士則は聞き流すと、目で笑った。
posted by みなと at 21:59| Comment(0) | くうのふたひ。こばなし
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