2009年08月09日

05// 残されし者よ ただ貴方だけは どうか幸せになって

 守るという言葉の如何に脆きことか。



 帛に、否、或いは彼なら委細構わず袖を破り記したかも知れぬ――、走り書きされた擦れた墨を見て首を振った。彼は最期まで何を見ていたのだろうか、本当に信じていたのだろうか。未だ目の前にちらつく劫火を振り払うと、その炎をともに潜り抜けた近侍のものが不可思議な視線を投げかけた。



 沈んだ眼差し。ああ、ここは宴席であったな。

 殊更に声を立てて無邪気な笑顔の仮面をかぶる。



「いや、ここは楽しい。蜀土を思い出すこともありませぬな。」



 せめて、生き残ったものたちの安全を図るためならば、道化となろうと死に赴いたものは許すであろうか。それとも、すべては遅すぎたと侮蔑の眼差しを送るだろうか。

 朕の、いや、私の戦いはいま始まったばかりなのだ。





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リンク張替え、あーんどメールのお返事、少々遅れます。ごめんなさい…!!!<土下座。
posted by みなと at 15:12| Comment(0) | くうのふたひ。こばなし
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