落ちてくるのは季節はずれの名残雪。
始まりには終わりがあり、終わりには始まりがある。
誰も残らなかった。誰も。
いつか、紅く染まった河も、荒野となった大地も、雨が洗い流し雪の下に埋もれ、春になれば新芽が芽吹き全てを緑が覆い隠していくのだろう。
それすら、幻だった。
真白を誰も知ることもなく、再び大地に砂塵が舞い上がり、帝の袖すら血に濡れる。
真白を誰も知ることもなく。
真白は忘れ去られた色となる。
花だけがそれを覚えている。
2009年05月12日
05:真白き花。
posted by みなと at 08:34| Comment(0)
| くうのふたひ。こばなし
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